この区間を走行したやまさんの貴重な記録を一部引用させて頂きます。走行日は2006年1月です。
『ちょっと登った後は、いきなり20%近い下りの荒れた道でした。その後も崩壊寸前の部分もあったり、そのまま前転してしまいそうな急勾配も何ヶ所かありましたが、全体としては路面はまあまあの状況で100%乗車可能でした。』
出発前、ルートを考えている時にしっかり読み込んだつもりでした。が、こうして改めて読み返してみると崩壊寸前とか前転とかの過激なキーワードが。。。ついポジティブな100%乗車可能の文字だけが頭に残り気楽に下り始めたのでした。
確かにいきなり落ちていくような激坂が現れました。車の轍もなくもう使われていないようです。路面に杉の幼木が生えていました。でもこれはまだまだ序の口でしかありません。
沢が道路を横断しています。水量はないので難なくクリア。
ついに車が通れる道幅ではなくなりました。もともとそうだったのか崩れた時の補修でこうなったのかは分かりません。慎重に押していきます。
藪漕ぎ区間もあり。冬場でこれだったら夏走るのはちょっと難しそうです。
完全に道が崩壊しています。なんとかここが通れそうと思えるわずかな踏跡?をトレースして行きます。担ぐこともしばしばでした。イバラに引っかからないように慎重に。ゴアテックスのジャケットが破れるとショックなのでこの辺りで脱ぎました。
最大の難所が出現。もはや道とは呼べません。逆からアプローチしていたら引き返していたと思います。ここの越えない限りデポ地へは戻れないので神経を最大限に集中して一歩一歩、歩を進めていきます。養蜂の巣箱があるので前は道だったのかなあ。去年の台風で崩れたのかなあ。
一歩間違えば崖下に転落。ですがこうして集中して困難をクリアしていく行為には高揚感と達成感がありますね。安全な場所に着いた時には思わず声が出ました。
まあ何はともあれ無事に越えられてよかったです。おそらくこの道が今後復旧するとは思えませんのでここを走る事はお勧めしません。
集材の広場に出るとやっと舗装路になりました。ホッと一息。
県道298上皆津奥浦線を下っていきます。下り基調に追い風でぐんぐんと快走。村山という地区の新田商店の自販機で休憩。倉庫の黄色い壁が何とも魅力的。ちょうど居合わせたおばあさんと少しお話をしましたがこういった山間部の集落が存続するのはいつまでなのか?10年後にここにきてまたここで缶コーヒーが飲めるのだろうか?そんな話題も走りながら上がりました。
今まで走っていた山並みを振り返ります。
午後2時半にデポ地へ到着。車に自転車を積み込んで途中宍喰温泉で汗を流し室戸へ。宍喰温泉はナトリウム炭酸水素塩温泉。とろっとしたお湯が疲れを癒してくれます。
小雨がぱらついたりしましたが暖かい穏やかな夜。楽しい宴は続きます。10時位からみんな除夜の鐘を突きに岬のてっぺんの最御崎寺に上って行くのですが私は若かりし頃に迷子になった苦い経験があるので先にテントに戻りました。
その5へつづく
その3まで、もう10年近く前になるのに、ほとんど変わっていないなあと思いながら読んでいましたが、その4でびっくり。当方が走った時は、一番条件の悪いところでも1枚目の写真くらいで、クルマの轍も結構奥まで入っていました。3枚目以降は、迷走したのかと思ったくらいです。
香川・五名付近にも、崩落したまま消え去っていく道がありますが、民家消滅に先立って、その奥の道は消えゆくのでしょうか。もう一度行ってみたいと思っていましたが、こりゃ、ちょっと難しそうです。
やまさん
コメントありがとうございます。
迷うような分岐はなかったので道は崩れてはいましたが何とか県道終点まで下ることが出来ました。確かにもう一度と言われるとちょっと躊躇ってしまいますね。