王滝SDA 100㎞ 2016秋 その3

 午前6時スタート。すこし渋滞。スタートラインまでに30秒位?まずは下り。約1.5キロ走り県道486から左折して上り開始。最初の上りがこのレースで1番長く10キロで標高差600mほど上ります。初めは舗装路、わずかな隙間を見つけて徐々に前へ前へ。実はパレードスタートでしばらく先導車がいるのですが今回初めてその先導車が見える位置に着けました。
 当初の目標である7時間切りは未だ脳裏の中にありました。後半に余裕を残すためにもCP1に2時間40分位で着きたいなあという計画でした。去年が2時間57分30秒でした。
 結果から言うと今年は2時間54分30秒でした。一応去年より3分早いです。ですが去年は補給と修理の手伝いで計11分停止しています。今年は休まず走り続けたので走行速度は遅いのか。
 上りの前半で120キロを完走されているTさんが抜いて行ったのであのペースに着いて行ったら後半持たないと思い速度を落としたのですが今思えばもう少し付いて行っても良かったのかもしれません。
 雨は深い森の中にいるせいか雨粒はあまり身体には届かず。暑さが気になりベストとゴアの帽子を脱ぎたくなりましたが脱ぎ着するタイムロスが気になったのでそのまま走りました。
 最初の10キロの上りタイムは去年とほぼ同じ。ここから下りメインのアップダウン区間に入ります。晴れていれば朝日が望めるのですがこの日は薄暗いまま。


 下りは慎重に。落車したくは無いですしパンクもしたくないです。特に初めの下りは大量に抜かれました。遠慮して最速ではないラインを下って道を譲ったり。でもタイムを気にして走るならもう少し堂々と最速ラインを走ればよかったかなとも思います。下っている時間も長いですからね。
 広い沢を橋で渡って再び5キロの上りです。針葉樹林と笹薮の中の上りは路面に雨水が流れてとても重く感じました。思ったようにペースが上がりません。小さな沢を渡る橋の上はほぼ水溜り。他にも底の見えない大きな水溜りは無数にありました。思った以上に深くてバランスを崩したり。底に尖った石があっても分かりません。それでもパンクしなかったのは運が良かったのでしょう。
 先述の通りCP1に着いたのは8時54分でした。トイレとボトル1本分をハイドレーションに追加してチェーンにオイルをさしました。ここでKi村さんと合流。CP1の停止時間は7分でした。
CP1からCP2は30キロ。三浦貯水池の平坦区間までの14キロは3つのアップダウンがあります。CP1を過ぎると周囲の面々が同じ顔ぶれになってきます。下りで抜かれて上りで追いつく。その繰り返し。この14キロのタイムを去年と比較すると今年のほうが6分ほど遅いです。三浦貯水池の平坦区間はトレインを組んで快速!したイメージだったのですが抑えて走った去年とほぼ同タイムでした。水溜りを何度も何度もザバンザバン走ったので体感より実際は遅かったのか。
4キロの平坦区間を過ぎるとCP2へは後12キロこの間に2つの長い上りが待っています。初めの上りで太腿が攣ってきます。王滝だと足攣りはしょうがない?痛みにに耐えて足を回していれば落ち着いてくるから不思議です。今回はジェルフラスコにまとめて入れてトップチューブバックに入れていたので止まることなくこまめに補給出来ました。これはとても良かったです。
20161005-201609260003.jpg
 CP2に到着。背負ってきたハイドレーションが空っぽになったので1リットルを追加。ここでもムサシにリプレニッシュとメイタンの電解質パウダーのコラボです。Ki村さんも追いついてきました。雨は止みそうで止まず。このCP2は風の通り道なのかテントがバタバタと激しく音を立てていました。この時点で目標としていた7時間切りは無理だと感じました。CP1からCP2のタイムが2時間21分59秒。去年より4分遅いです。
20161005-201609260004.jpg
 今年のハイライトは何と言ってもここ!CP2からひと山上って下ったところにある沢。晴れていれば単なるコンクリの橋です。雨の降った2013年は水たまり程度で乗って通過できました。そして2016年。災害レベルに達していました。42キロの部に参加したメンバーの話だとちょっと増水しただけだったそう。100キロ、120キロのトップ集団も乗車可能レベルだったようです。が我々の頃は乗車不能レベルにまで達していました。
 あまりの光景に立ち止まりザックのポケットに仕舞っていたスマホを取り出し禁じていた写真を撮ってしまいました。その際太腿が攣り悶絶したのは内緒です。押して通過しようとした人が車輪が流されバランスを崩しているのを見て担ぐのが正解と判断しました。
 後半の濁流区間。小石も流され足の踏み場も安定していません。上流寄りに位置し流れに逆らわないように一歩一歩慎重に歩を進めます。先に渡った方がバイクを受け取って下さり何とか渡り切りました。
20161005-201609260005.jpg20161005-201609260006.jpg
 この二枚の写真を見ても分かるように誰からともなく数名の渡渉を手伝ってから先へ進むという助け合いの不文律が生まれました。自らのタイムを犠牲にしてでもこの危険地帯を安全に通過する手伝いをする。非常に美しい光景でした。この日過酷な条件の下、走ってきた意味がここにあったと大げさではなく感じました。
 もう少しあとには大会スタッフに連絡が行きサポートがついたそうです。大きな事故が起きなくて本当に良かったです。
 ここで7分の停滞。CP2からCP3へは去年より15分遅いタイムでした。CP3は止まらずに通過。ゴールを目指します。CP3からゴールへは14キロ、上りは2つです。1つ目の上りが3キロと長く下りの途中で120キロのループの合流点があるのであれっもうこのまま下りだっけ?とつい勘違いしてしまいますが最後にもう2キロ上ります。そしてこのコースで1番長い6キロのダウンヒルのをこなしてゴール。7時間46分55秒でした。
20161006-201610060001.jpg
 近いタイムで完走したメンバーと記念写真。今年は何とか店長から逃げ切りました。去年は最後の坂で抜かされたのです。
20161006-201610060002.jpg
 初参加のNさんも無事完走!おめでとうございます。
20161006-201610060003.jpg
 タイムは落としましたが順位はかなり上がっています。それだけ過酷な状況だったということでしょうか?今回はウェアの選択が良かったのが低体温症といった寒さへの懸念はなかったです。雨が降り続いていても走り切れるんだというのがとても新鮮な発見で大きな達成感に繋がりました。雨に濡れた荒れた路面を走りながら昔走ったチリパタゴニアのアウストラル街道を思い出していました。
 とても良い体験が出来たことに感謝。参加者の皆様、主催者、スタッフの皆様、王滝村の皆様。ありがとうございました。