本日のBGFIT

今回も金曜日と土曜日に2名の方にBGFITのご予約を頂いておりました。
金曜日に受けて頂いた方は、アセスメントまで終わった所で
一度中断になりました。また後日続きをさせて頂くことになりました。
また詳しく書かせていただこうと思います。
さて、土曜日のお客さま。なんと京都からお越しいただきました。
遠いところを本当にありがとうございます。
現在BR1で競技活動をされている方で、目的はBGFITを体験したい。ニュートラルなポジションを知りたい。
と言うことでした。そうなんですよね、自分で色々試行錯誤しながら作り出したポジションは
全てにおいて主観が入ってきます。主観と言うのはとっても大事だと思います。
ハンドルが遠い気がする、足がうまく廻ってない気がする、ペダルの踏み心地が左右で違う気がする
人間は常に自分の感覚で動いているはずです。自分の事は自分が一番良く知っていると言うくらいです。
色々な情報が入ってきますよね。輝かしい栄光や実績を持ったライダーが、こういう姿勢で乗っている。
力強いペダリングをするためにこんな姿勢で乗ろう。
素晴らしい実績を持ったライダーが言えば、それはどれもが自分に当てはまると思えるし、真似をしたくなります。
ただし、そのライダーと同じ身体を持っていたとしたら正解です。
体格はもちろん、同じ骨格と骨の構造、筋肉のつき方や筋力、関節や筋肉の柔軟性、
全て同じであれば、有名選手と同じ姿勢が取れます。
しかし、現実には100人のライダーがいれば100人の身体があります。
BGFITの4つのルールの内に、人間をバイクに合わせてはいけない、バイクを人間に合わせるべきである。
と言うのがあります。例えば、ロードバイクはスピードが出せるバイクです。
スピードを求めると空気の抵抗を考えないといけません。そして身体を出来るだけ前傾にして
それを抑えようとします。前傾になった事で力強く踏み込める時間が増え、出力は上がります。
空気の抵抗も抑えられ、出力も上がったことでスピードは効率よく上がっていくでしょう。
ここまでは理にかなっていると思います。後は、ライダーの身体の構造で可能な姿勢にバイクを調整してやる事です。
そうすればライダーのポテンシャルは最大に発揮できる準備が出来ます。
スポーツは心・技・体。後は本人の練習量や気持ちの強さなどが相当に影響するものです。
単純に憧れや真似をするだけの、関節や筋肉の柔軟性や可動域を超えた無理なセッティングでは、
充分な力も出せませんし怪我も免れないと思います。運動の時間の長短に関係なく、
身体に無理な事をさせれば簡単に壊れてしまい、その後はバイクに乗ることも出来なくなってしまってつまらないでしょう。
そこで、主観だけでは分からない自分自身の身体構造を理解したフィッターが、
ライダーが可能な姿勢(ギリギリの姿勢ではなく、ニュートラルな姿勢)を取れるように、しかもライダーの目的に沿って、
バイクを客観的にフィッティングしていくのがBGFITなのです。
主観と客観の融合ですね。だからBGFITを受けると、新しいポジションなのに不思議とすんなり受け入れられます。
さて、今回のお客様は、とても自分の身体を理解していらっしゃる方でした。
冬場のトレーニングで、左足の腸脛靭帯を痛めてしまう事が多いと事前におっしゃっていましたし、
サドルに真っ直ぐ座れていない様な感覚があるとも、フィッティング中に言っておられました。
ペダルによるQファクター(両足のスタンス幅)や、サドルやハンドルのフィット感等とても研究熱心で、
シューズやインソールもこだわっておられました。
さすがに競技者の方ですから、ストレッチングも頻繁にされているようで、とても柔軟な身体を持っていらっしゃいました。
一通りのアセスメントの結果、注目したのは背骨の横方向の曲がりと左右の膝で、右膝に比べ左膝はO脚気味になっていました。
3Dでは、サドルに真っ直ぐ座れるようにクリートの調整を施し、左右で膝の軌道が違うペダリングをひとつひとつ
補正していきました。Qファクターの違いによって、ペダルもクリートも変えて調整もしました。
最終的には、ペダルの踏み心地に左右の差も無く、違和感のあった左足のペダリングも安心感が出たと驚いておられました。
自分の主観だけでクリートやサドルの位置を調整していくと、どうしても自分の常識の範疇で位置を決めてしまいがちです。
今回のように、スタンス幅が左右で全く違うような設定は、客観が入って来なければ
なかなかたどり着かない調整位置なんだと思います。
今回受けてくださったA様、遠方からのご来店本当にありがとうございました。
今日もまた勉強させていただきました。
先日、以前にフィッティングをさせていただいたお客様お二人から、長く乗ると痛くなる膝が全く痛くならないと、
嬉しい感想を頂くことが出来ました。お客様の喜びの声がフィッターとしての僕のエネルギーになっております。
これからも精進していきますので、宜しくお願いいたします。
山本でした。