new ROUBAIX と new DOMANE SLR

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最近モデルチェンジし、注目のエンデュランス系ロードバイクのTREK DOMANE(ドマーネ) SLRとSPECIALIZED ROUBAIX(ルーベ)。
パリルーベなどクラシックレースで成績を収めたり、使用率の高いこれらのバイクは、いかに速くコントローラブルで選手の体力を温存できるのかを長年研究され、そろそろ究極の域に達した感もある。
大手メーカーであるTREKとSPECIALIZEDの、快適で高速でスムースなバイクへのそれぞれのアプローチの違いを見てみよう。
TREKが昨年から投入してきたDOMANE SLR。
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外観はDi2モデルという事もあって非常にシンプルな印象だ。
ヘッドチューブからダウンチューブは非常にボリュームがあり、いかにも高い剛性を予感させる。
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newDOMANE SLRのキモである、フロントISOスピードと調整式になったリアISOスピード。
ヘッド上部に可動式のスリーブを設け、その上下にヘッドベアリングを1つずつ取り付けた。これによってフォークコラムのしなりを助ける構造を開発。
TREKは従来からコラムを扁平させてしなりやすい構造を採用していたが、フロントISOスピードはさらに10%の振動吸収性を向上させるという。
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そして、調整式となったリアISOスピード。
従来のISOスピードは、体重差によってその快適性の感じ方に差があったとも言われた。
この黒いスライダーを上下に調整することで、シートチューブのしなり方を変える事が出来、スライダーを一番上にすれば従来のDOMANEよりも高剛性なバイクに、スライダーを一番下にすれば従来のDOMANEより14%の振動吸収性を向上させる事が出来る。
さらに、ISOコアハンドルバーを新開発。
カーボンの積層の間に振動を減衰するラバーを挟み込み、従来のカーボンハンドルよりも20%も振動吸収性を向上させた。
この二つの新機構とISOコアハンドルバーによって、バイク全体での振動吸収性は2倍にまでなると言う。
試乗した感じとしては、ヘッド部には不自然な動きは無くむしろ自然な印象だ。
リアの快適性とスムースな路面追従は変わらず。スライダー一番下では非常に快適だ。
石畳のような荒れた場所でも普通のロードバイクとは違う乗り易さだが、スピードが上がればやや暴れる印象はある。
それでも普通のロードバイクのように走ってられなくなる事は無いのは流石だ。
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写真のモデルDOMANE SLR 7のホイールはBONTRAGER PARADIGM(パラダイム)comp ホイールが装備される。
リムの内寸19mmの極太リムには28Cの極太タイヤが装着。
フレームの振動吸収を最大に生かすエアボリュームとしなやかなタイヤの生み出す乗り心地は、スムースの一言。
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ブレーキはDISCモデルと写真のようなリムブレーキモデルが選べる。
DISCモデルは絶大な制動力に裏打ちされた圧倒的な安心感がある。
慣れ親しんだリムブレーキモデルもコントローラブルな制動力を持っている。
DISCモデルよりもかなり軽量になるリムブレーキモデルもそそられる仕様に違いない。
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何度も書くが、写真のDOMANE SLR 7はDi2(電動シフト)モデルなので、ケーブル類が細く少なく非常にシンプルな見た目だ。
内装されたバッテリーはダウンチューブ中央の楕円形の蓋の内部に取り付けられているので、ここもスッキリとなる。


続いて、SPECIALIZED ROUBAIX。
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DOMANE SLRから遅ればせながら、登場したROUBAIXはとんでもない機構を搭載してきた。
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このサスペンションのような物はフューチャーショックと呼ばれる。
実に20mmのストロークをするピストンだ。内部にはバネが装着され、走行中の上下方向の振動を全て消し去ってくれる。
試走した感想だと、DOMANEと違いとてもよく動く。スピードが上がれば振動が細かく速くなり、フューチャーショックはそれに合わせた動きをする。
それが何とも言えない浮遊感覚を生み出すのだ。
とは言え、スプリント的なバイクの振りでもしっかりとしていて、剛性不足を感じて不安になる事もない。
ヘッドやハンドル、フォークの剛性としなり易さのバランスを研究してきたが、このフューチャーショックを採用することで、それらの微妙なバランス問題が一挙に解決され、しっかりとした剛性感と浮遊感にも似た圧倒的な快適性を生み出したと言う。
バネの種類は3種類の硬さが付属する。体重ではなく、常用スピード域に合わせてセッティングすることで最適な浮遊感を得られる仕組みだ。
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中央で15mmのライズがついたHOVERハンドルバーは、ターマックと同じヘッドチューブ長 + フューチャーショックと合わせる事で、従来のROUBAIXと同じハンドルバー高さになる。
ハンドルを通常の形状へ変えるだけでハンドルポジションを下げる事が出来るし、フューチャーショックが取り付けられたフォークコラムからスペーサーを取り外す事でも、ハンドルバーポジションを下げていく調整が可能だ。
ターマックに近いハンドルの高さを実現することも可能なのだ。
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従来からのコブルゴブラーシートポストも搭載される。ヤグラ付近のゼルツ(振動吸収ダンパー)による快適性の向上に加え、
シートポストをクランプするバンドをフレーム上端から65mm下へずらした位置で固定される。
この構造により、クランプからサドルまでの距離を長く取る事が出来るため、シートポストのしなりを最大限に引き出すのだ。
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new ROUBAIXはすべてのモデルでDISCブレーキが採用された。
そして、スルーアクスルもnew ROUBAIX全モデルで採用された。
DISCブレーキの絶大な制動力は安心感につながり、下り坂が苦手でも荒れた路面でも自信を持ってライドに集中する事が出来る。
そして、スルーアクスルはフレームとホイールの固定力を強め、構造的に一体化されるので高剛性でキビキビした印象の走りが出来るのだ。

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という事で、モデルチェンジで相当に変わった2台のバイク。
BPSなかやまでは試乗が出来ますので、興味のある方はしっかりスタッフと話し込んでください!!