まず奈半利川に沿って北上し野友橋を渡って野川川沿いに移動、川に沿って走る。
分岐には野根山街道登山口の標識がある。
しばらくは点在する集落に沿って走る。勾配は緩い。
林道へ向かういつもの雰囲気である。
民家が途切れると杉林に入りいよいよ舗装が途切れダート道になる。
さあ、これからが旅の本番だ。このわくわく感がたまらない。
薄暗い林間から一転明るく開ける広場へ出た。
前方にはこれからその近くまで行くであろう電波塔が遥か上に光っている。
上杉林道の分岐を通過。この支線林道は手持ちの地図では行き止まりだったので気にもとめなかったがウォッちずで確認すると繋がっているではないか!こうした最新情報はちゃんと確認しないとだめだ。まあまたいつか来るであろう次回の楽しみにこの道はとっておこう。
上杉林道の分岐をすぎると沢を渡り方向転換、標高600~700m付近を南に移動していくため勾配は緩くなる。この辺りに今まで上ってきた谷を見下ろすポイントがあり遠くに太平洋が見える。
12時20分須川林道と合流。右へ行くと海まで下っていくことが出来る。
しかしここまで上ってのだから何か一つ到達点になる物がほしい。なので直進し宿屋杉を目指すことにする。
ここから宿屋杉まではとても長く感じた。体力的には問題ないのだがとんでもなく寒い。メーターの温度計はマイナス3度。風が強いので体感温度はマイナス10度を下回っているのではないだろうか?途中、四国の山並みの展望が開けるところがある。ゆっくり眺める余裕はなく急いで写真を撮る。こんな風景を見るといつも頭に浮かぶのは深田久弥の日本百名山の石鎚山の中の一節、「それにしてもなんと山の多い国だろう。青い平地らしいものは松山と西条の平野だけ。あとはすべて山また山であった。」という文章だ。まさに山また山。
この辺りまで上ると林道の路面の中の水分が凍っていてバリバリになっている。そこをバリバリと走る。やがて宿屋杉の登山口が見えてきた。数百mなので自転車と共に歩く。
宿屋杉は樹齢1000年以上といわれ昭和9年の室戸台風によって倒壊するまでは高さ32m、周囲は地上1.6mで16.6mあったといわれ根本の空洞は四畳半ほどあり旅人の4,5人は泊まれたそうだ。現在は添え木をして立っているがそれでも十分迫力があり見応えがある。
これを見れば一応目的は果たしたと自分を納得させられるのでここから引き返すことにする。あまりの寒さに手が動かないので食事も出来ず急いで下る。寄り道は危険だと感じたので一番近道である上ってきた野川林道を下ることにした。
指先の痛みをこらえどうにかこうにかデポ地の二十三士温泉まで戻る。冬の山をちょっと甘く見ていたようだ。もう少し厚手のグローブが必要だったか。
その3へつづく
次の室戸の写真といい、楽しまさせていただきました。
世界をツーリングした経験があっても、室戸の道を走るときに、わくわく感がたまらない、という感性を見習いたいです。
やまさん
コメントありがとうございます。日本の道は素晴らしいと思います。特に山村の落ち着いた風景が海外ツーリングの後半では恋しくなりますね。