第2回倉敷国際トライアスロン参戦レポート

7月29日の日曜日。猛暑の中、第2回倉敷国際トライアスロン大会が開催されました。BPSなかやまも今年は協賛しております。
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そして、およそ7ヶ月前からトレーニングを続けた初トライアスロンに参加してきました。
前日28日の昼過ぎから受付とバイクチェック、初参加の人はバスでバイクコースの試走。
猛暑の中順番待ちで汗が止まりません。
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その後開会式では倉敷市長の熱い声援を頂いて、参加選手たちの親睦を深めるカーボパーティーへ。
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何より競艇場の広さを目の当たりにして、正直びびりました。めっちゃ広い!
そして顔見知りの方々に挨拶とお互いの健闘を誓いながら楽しい時間を過ごしました。
近くのホテルで明日の準備をし、ビールを2缶飲み干して就寝。
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当日の4時半には起床して、さくっと準備して会場へ向かいました。
会場に着くと最終選手登録へ向かいました。
これを済ませると、このレースに出場するという最終意思表明になります。
つまり逃げられないということ(笑
車に戻って準備をしていると、ダックスメンバーのアキさんが自走で応援に来てくださいました!
とってもありがたい。初参加でスイムに不安を持つ僕の気を紛らわせてくれて、ありがとうございます!
トランジションエリアヘバイクとトランジションバック(中身はバイクシューズ、ランシューズ、ヘルメット、サングラス、グローブ、ランキャップ、足ふきタオル、ドリンク2本、BCAA1本、ワンセコンド2本)を置きに行き、
しっかりセッティング。スタッフの方にトランジション内の移動ルートを確認しました。
スタートは160人ずつ位、4つのウェーブに別れてスタートしていきます。
僕は一番後ろの第4ウェーブ。リレー部門の40人と一緒で約150人がスタートします。
スタート時刻は8:00。入水チェックは6:30~7:30。競艇場に向かって左側にボートの待機場の建物内に選手たちが集まり、スタートまで待機します。
独特の雰囲気に緊張が高まります。ウォーミングアップでスイムコースへ出ると、
ウェットスーツの締めつけと水の冷たさからか、息が苦しい(笑
身体の動きもろくに確認もできず、ただ雰囲気に飲まれただけの入水チェック。
この時間帯から、心の中ではヤバイを連発してたように思います。
心拍はすでに高くて、後で確認すると150近く上がってた様子。
緊張を紛らわすために顔見知りと会話したり、深呼吸したり色々試してみましたが
なかなか落ち着きませんでした。
それでもスタート時刻は迫ってきます。7:51。第1ウェーブがスタートしていきました。
と言っても建物内からなのでスタートしていく様子は全く見えません。
「プァー」と言うスタートの合図が聞こえたとたん、残りの選手たちから一斉に拍手と歓声が上がりました。
拍手をしながら僕の中ではなかなか落ち着かない緊張を、どうにかコントロールしようと
必死でしたが、上手くいきませんでした。
そして、僕のスタート時刻がやってきます。
次々に入水していく選手たちの後ろから、ゆっくりと水面に入っていきました。
そこから25mほど先にスタートラインがあり、8:00になった時点で「プァー」と合図がありスタートになります。
なんと、僕はそのスタートラインまでまともに泳げませんでした。
相変わらず息は苦しく、呼吸は荒い。とても平常心ではありません。
スタート前の高揚感とは全く違う、自分をコントロール出来ない感覚。
パニックってやつですね。(笑
「プァー」と聞こえて少し先に浮かんでいる選手たちが一斉にスタートしていきます。
僕は数秒後か数分後か分かりませんが、やっとスタートラインを通過して一応スタートをしました。
ぼちぼちとクロールを試みるも、息苦しくてすぐに立ち泳ぎになる始末。
落ち着くまでと、仕方なく平泳ぎや立ち泳ぎでじわじわ進んでいくも、全く落ち着く気配もなく。
こんなんじゃスイムの制限時間に間に合わないかもしれない。
一緒にスタートした選手たちはかなり遠くへ泳いでいってしまっているし。
と余計に焦ってしまい、もう自分ではどうにもならない感じです。
たぶん呼吸がまともに出来ないくらい過呼吸状態だったんじゃないでしょうか。
何人か水上バイクで救助される選手を見かけたことも、僕のパニックに拍車をかけました。(笑
そんな状態で浮かんでいる僕に、ライフセーバーの方が声をかけてくれて浮きを貸してくれました。
しばらくそれに掴まって深呼吸。また泳ぎだして、苦しくなってまた掴まる。
そんな感じでスタートから200mくらいかなぁ、10分くらい過ごしていました。
徐々に呼吸もゆっくりになっていき、不格好ながらもクロールで進めるようになっていきました。
息継ぎもなんとか落ち着いて出来るようになり、泳ぎに集中していると
次なる問題が現れます。まっすぐ泳げないのです。(笑
周りに選手がいれば、進む方向の修正が比較的楽ですが、僕の周りにはもはや誰もいません。
ブイに沿って泳いで、たまに前を見ながらそれでもジグザグしながら泳いで行きました。
泳ぎに集中していると、さっきまでの苦しさや怖さはいつの間にか忘れていました。
プールで泳いでいる時の心理状態に近くて、ずいぶん落ち着いていたと思います。
心配なのは、50分と言う制限時間でした。焦ってスピードアップを求めてもどうしようもないですし、
今の僕にはとにかく泳ぐことに集中することだけが、一番速くスイムを終える方法だったのです。
どの位時間が経ったか覚えていませんが、ふと前を見るとスイムのゴール地点が見えていました。
もう少しだ!さっきまで見えていた前を泳ぐ選手数名もいなくなっていて、いよいよスイムパート最下位か、タイムアップかもしれませんでした。
陸に上がった直後、一度も見なかったPOLAR RCX5を見ると47分くらい。
間に合った。よし!
スイム計測地点のエイドで水をもらって飲み干しながら、トランジションへ向かって走っていきました。
ぎりぎり間に合った選手をそれでも力いっぱい応援してくれる観客やスタッフ、ボランティアの方の声援の中、
ウェットスーツを上半身だけ脱いで、自分の脚が疲れていない事を確認すると、ここからがスタートだ!と気合が入ってくるのを感じました。
トランジションへ向かう途中、アキさんやちひゃーさん、知り合いにも声援をもらってますます元気が出てきます。
トランジションはほとんどのバイクがありませんでした。当然ですね(笑
何人かバイクの準備をする選手もいましたが、ほんの数人。本当に最下位だなぁと
落胆と言うより、予想通り過ぎて冷静になれました。
ウェットスーツを脱いで、サングラスとグローブを装着。キャップのツバを後向きに被って首の熱対策。ヘルメットを被り、ゼッケンベルトを巻いてガーミンのスイッチを入れてPOLARの種目をスイムからバイクへ切り替え、ワンセコンドを1つ食べて準備完了!
バイクを押しながら、トランジションエリアを出て、乗車ラインを越えたらバイクに跨ってPOLARとガーミンのスタートボタンを押しました。
いよいよバイクのスタートです。
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今回いきなり投入した秘密兵器のS-WORKS TRIVENTシューズ。
このシューズはとても軽量で、超高剛性なソールと、最高のフィットとホールド力で
通常のS-WORKS ROADシューズと体感的に変わらないパワー伝達を感じました。
ヒールカップが独立していて、バイクにセットしたままヒールカップをマグネットで開いた状態にしておけます。
輪ゴムが引っ掛けられるフックがあるので、シューズがまっすぐ向くように、バイクに輪ゴムを引っ掛けてセット出来、跨ったらすぐに足を入れてダイヤルを締めるだけと言う、
超スムーズな乗車が可能です。多少慣れは必要ですが、通常のロードシューズよりも絶対速い。
バイクをスタートしてから、パワーを250W~300W位で脚の調子を確かめながら走りました。
脚は軽くて調子は良かったのですが、敢えて抑えました。
元気よく飛び出しすぎると、バイクの後半で失速してしまう事が怖かったからです。
最初の登りで数人の選手を抜いてから、結局バイクのゴールまで選手を抜き続けて一度も抜かれませんでした。
下津井港の辺りではたくさんの地元の方が応援に出てきていました。
力いっぱいの声援をもらうと自然と「ハイっ!」と返事をしている自分がいました。
声援がとても嬉しくて、ありがたかった。とても力になります。
スタートから15分ほどで鷲羽山スカイラインに入りました。すぐにエイドがあり、ここは2回目の折り返し地点でもあります。
折り返していく選手と一緒にスカイラインを駆け抜けていくのです!
パワーは270W~330Wくらいを目標レンジにしてしっかり登っていきます。
前を走る選手を抜いてはまたキープレフト。そしてまた抜くために中央ラインに寄って選手をパスしていきます。
時には左側へ戻れないくらい抜き続けていたこともありました。
途中のエイドで水に浸してあるスポンジをもらって頭からかぶって冷やしたり、欲しくなくてもドリンクを飲みきるつもりでしっかり給水しました。
下ってくる選手の中にダックスのSさんやnasuチームのRさん、アミーゴのYさんなども見かけ、みんな頑張って走っていました。
1つ目の折り返しに到着し、スカイラインに入ってからここまでで15分ほど。
なかなか良いタイム。復路は下り基調なのでもっとタイムは縮められるはずです。
踏み過ぎないようにパワーを睨みながら、前を走る選手を声かけして安全に追い抜いて走りました。
そしてあっという間に2つ目の折り返し地点です。復路は9分50秒ほどで帰ってきました。
そしてまた往路へ出発です。2回目の往路はややハムストリングスに張りを感じてきていたので、無理をせずにパワーを落として漕ぎ勧めました。
3回目の折り返し地点で16分。そして2回目の復路もややパワーを抑えて走り、10分ほど。
トランジションまでの残り数キロは、しっかり踏んで選手をパスしていきました。
トランジションへ到着し、降車ラインへ向かっているとダックスのogawaさん、それにimaiさんまで応援してくれました。
ogawaさんは先日皆生トライアスロンを無事完走されたばかり。すごい方です。
暑い中わざわざ応援に来てくださる方たちに感謝しつつまた力をもらってトランジションへ。実際に走っていたバイクタイムはおよそ1時間18分~19分ほどでした。
降車ラインの手前でバイクを降りて、トランジションへ帰ってきました!
次のランへの準備をしていくのです。バイクシューズを裸足で履いていたので、ランの前にソックスを履きます。グローブとヘルメットを外して、ランシューズへ履き替え
BCAAを1つ食べてさぁランへ出発です!
バイクでは風を受けて走れるのでそこまで暑くないのですが、ランは灼熱!
おまけに時刻は10時を過ぎて一番暑い時間帯に入っていました。
デュアスロンしんごうでは、バイクの後ランで両脚の表裏が攣ってどうしようもなくなってしまいましたが、
今日は違いました。バイクの後で確かに脚の大腿四頭筋が重く、痙攣を起こしそうな兆候はありましたが
1.5kmほどペースをゆっくり目に走ると次第に消えて行って、普通に走れるくらいに回復しました。
BCAAもすぐに効いてきた感じが有り、脚が軽くスピードを徐々に上げて行きました。
ただ、POLARのGPSが何故かOFFになっていて、ランのペースが分からない!
まぁしょうがないので、1km毎の通過タイムでペースを作ることにしました。
走っている選手たちも疲労困憊。フラフラしている選手もいれば元気にマイペースな方もおられました。
僕はフォームを守ってランに集中して、ぼぉーっと遠くを見つめるような無の感覚でした。
頭が暑くてぼぉーっとしている感じではなく、意識もしっかりあり、知り合いの選手にも声をかける余裕もありました。
細かく設置されたエイド毎に、冷たい水をもらって飲み、スポンジの水を頭から被って体を冷やして元気を維持して走る。
応援もエイドのボランティアの方々も本当に暑い中、選手のために働いてくれているんです。
最後までしっかり自分の力を出し切ることが、最大の応えだと言い聞かせて走りました。
途中、fukushimaさんtakeさんogawaさんにimaiさんその他にも知り合いの方も知らない方もみんな声援をくださるんです。
これはものすごい力になりました!みなさんありがとうございました!すごく助かりました!!
5kmの折り返しで通過タイムが23分50秒ほど。予定より遅れているけど、これが今の実力。無理なペースアップは危ないので、ペースを落とさないよう心がけます。
前を走る選手をパスする度に、さらに前を走る選手を目標に距離を詰めていきました。
たくさんの声援に応えつつ、淡々と走ることに集中していると、いつの間にか競艇場の建物が見えてきました。
暑さも最高潮の中、最後まで全力を出すためにもう一度気を引き締めました。
トランジションへ帰ってくると、そのまま地下道を通って競艇場内へ、疲労しきった脚で階段を上り降りするのは堪えました。
なんとか階段をクリアして、赤い絨毯の上を走っていきます。
赤い絨毯はそのままメインスタンド前へ続いていき、ついに最後のストレートにやってきました。
帰ってきた選手たちを迎える歓声と最後の声援。ゴールする選手をたたえるアナウンス。
3時間ほど前は左に見える水面で喘いでいたのを思い出して、鳥肌がたって泣きそうになりました。
でもまだゴールまではもう少しあります。
最後の力を振り絞ってゴールへ向かい、写真用にサングラスを外して
そしてゴール!
倉敷市長が倉トラタオルで迎えてくれました。
もうこの瞬間からトライアスロン最高!!って気持ちでいっぱいでした。
ゴール後は戦友たちと楽しい時間を過ごして健闘をたたえ合い、初トライアスロンの完走を噛み締めました。
トライアスロンはとても素晴らしいスポーツだと今日知ることができました。
この日のために選手は日々鍛錬し最高のパフォーマンスを発揮するための準備をし、
3500人もの大会関係者とボランティアスタッフは選手を最後までサポートするために尽力していただきました。
猛暑の中、選手に力いっぱい声援と力をくださる地元の方や、遠方からの仲間たちも
本当に素晴らしく、感謝の気持ちでいっぱいです。
自分がレースに出ているのに、まるでみんなでゴールを目指しているかのような錯覚をするほどの一体感と達成感。
それがトライアスロンの魅力だと思いました。
今年の最高齢選手は72歳だと聞きました。
若くても年をとっても、速くても遅くても、自分のレースをすることができれば
みんな最後にいい顔ができるのですね。だからみんな止められない。
トライアスロンは最高でした。
第2回倉敷国際トライアスロン結果
総合152位 時間2:57:55 スイムタイム0:47:35 スイム順位533位 バイクタイム1:22:59 バイク順位38位 ランタイム0:47:21 ラン順位54位
男子順位149位 年代別順位 56位
リザルト

5件のコメント

  1. お疲れさまでした。僕の初トラを思い出しました。スイムも経験値がこれで上がりましたね。来年はもっといい結果が出そうですね。僕もバイク頑張ります!

  2. お疲れさまでした。僕の初トラを思い出しました。スイムも経験値がこれで上がりましたね。来年はもっといい結果が出そうですね。僕もバイク頑張ります!

  3. TOSHIさん ありがとうございます!津黒お疲れ様でした^^TOSHIさんもトライアスリートになってみませんか?
    OKUさん 色々アドバイス頂いてありがとうございました!泳げない事でトライアスロンへの挑戦に二の足を踏んでいましたが、
    挑戦してよかった^^スイムには大きな課題が残りましたが、来年は自分を超えてやります!
    OKUさんも2連続のトライアスロンお疲れ様でした。

  4. TOSHIさん ありがとうございます!津黒お疲れ様でした^^TOSHIさんもトライアスリートになってみませんか?
    OKUさん 色々アドバイス頂いてありがとうございました!泳げない事でトライアスロンへの挑戦に二の足を踏んでいましたが、
    挑戦してよかった^^スイムには大きな課題が残りましたが、来年は自分を超えてやります!
    OKUさんも2連続のトライアスロンお疲れ様でした。

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