DISCブレーキはメリットだらけ

2019モデルも発表されて増々ロードバイクのDISCブレーキ化が進んでいますね。
話題のDISCブレーキにお店で触れてみた方も多いんじゃないでしょうか?
そんな中で、そもそもDISCブレーキって何がすごいの?って思ってる方は多いんじゃないでしょうか。
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DISCブレーキのメリットとは?
・悪天候や路面の悪い場合に制動力が落ちにくい。
・速度のコントロールがしやすく、急激なブレーキのかかり方が少ない。
・ブレーキパッドの交換サイクルが長く、交換頻度が少ないので経済的。
・ブレーキ時のダスト(ゴミ)が出にくいので、自転車が汚れにくい。
 ホイールのブレーキ面が汚れてきたなくなる事もないので、綺麗なまま使える。
・特に油圧式はレバーを軽く握るだけでしっかりとブレーキを利かせられるので握力の小さい女性にも扱いやすい。
・リムが削れることが無いのでホイールの寿命がとても長くなる。
と言う風に、リムブレーキと比べてもメリットが多いのが特徴です。
現在、リムブレーキを使用していて特に不満を持っていない方もたくさんいらっしゃると思います。
でも、店頭でDISCブレーキ搭載のロードバイクやクロスバイクに試乗していただくと
「思っていたよりも自然に違和感なく使えた」「もっとガツンとブレーキが利くと思っていた」
など、自然に使える印象を持つ方がほとんどです。
メーカーが上手にモノづくりをしているのですが、なぜそんなに自然に使うことが出来るのか。
上で書いた特徴を少し解説してみるとその優位性がちょっと見えてきます。
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自転車を安全に停車させたり、安全な速度にコントロールする為にはタイヤと路面との摩擦を起こさせる事が必要です。
そのために自転車の車輪の回転を止めようとするものが「ブレーキ」です。
ですから、ブレーキの形状や方式に関わらず車輪を止めようとするもの全てブレーキと言えます。
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タイヤと路面の摩擦とは。
タイヤはツルツルと滑らない「ゴム」と言う素材で作られています。
路面に対して転がりはしても、回転していないタイヤを引きずると、ズリズリとなかなか動かない感覚が有りますよね。
この抵抗感が路面とタイヤの滑りにくさ「摩擦(グリップ力)」と言います。
つまりブレーキは車輪の回転を止めようとする事でグリップ力を利用し、自転車の速度をコントロールするという事になります。
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なので、路面の状況によってブレーキの利き方も変わってくるんですね。
舗装路と土では摩擦抵抗が違いますから、土の方がブレーキは利きにくいです。
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さらにぬかるんだ路面はもっと利きません。
街中だと、濡れた路面と乾いた路面は違いますし歩道の点字ブロックやタイル、鉄板を敷いてある路面なども同様ですね。
これは、ブレーキの制動力がグリップ力よりも大きくなってしまい車輪がロックすると、路面の摩擦抵抗が限界になってしまいスリップ(滑る)するという事なので、
ブレーキを強くかけすぎる事でも起こってしまいます。ブレーキの方式に関わらず、この関係は変わりません。
さて、ではリムブレーキとDISCブレーキの何が違う事で悪天候や悪路で制動力が落ちにくく速度コントロールがしやすいのか。
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リムブレーキではブレーキがタイヤの近くで作動する為、ブレーキをかけた時に車輪を止めようとする範囲(ブレーキの作動範囲)と
タイヤが路面に対してグリップ力を発揮する範囲(制動力が及ぶ範囲)がほとんど同じくらいになります。

これだと、ブレーキの制動力≒グリップ力となるのでとてもリニアで良くブレーキが利く反面、濡れてたりぬかるんだりツルツルしたスリッピーな路面では
路面の摩擦抵抗が小さいので、グリップ力がブレーキの制動力よりも小さくなりやすいため車輪がロックしてしまい滑りやすくなってしまいます。
対して、DISCブレーキは車輪の中心に近い部分でブレーキが作動するので、ブレーキをかけた時に車輪を止めようとする範囲(ブレーキの作動範囲)よりも
タイヤが路面に対してグリップ力を発揮する範囲(制動力が及ぶ範囲)がかなり大きくなってくれます。

制動力が及ぶ範囲が大きいので、急激なグリップ力の上がり方にならずスリッピーな路面でも滑りにくくコントロール性が失われにくいのが最大の利点です。
ブレーキレバーを目いっぱい握ればグリップ力が上がるので、よりブレーキを利かせられます。
リムブレーキとの大きな違いは、ブレーキの制動力を弱い力から強い力まで滑らかにコントロールする事がしやすいので、
ブレーキを利かせすぎたりしないで(車輪をロックさせないで)安全に速度のコントロールを行える
点です。
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