前回紹介した自転車はアルプスのワールドローバーです。アルプスは東京神田にあった自転車店で残念ながら2007年に閉店してしまいました。なのでこれはもう手に入らない自転車です。
僕が購入したのは2000年。アルプスではなく学生時代からお世話になっている高知のサイクリングショップヤマネでオーダーしました。
ローバーという車種はかなり古くから存在し昭和60年代のカタログにはもう載っていたそうです。ローバーはいわゆるキャンピング車で今となっては絶滅危惧種です(残念ですが)。なかやまにも並んでいません。
見た目はランドナーに似ていますがより低重心で前後に荷物を積んでも安定して走れる設計になっています。そしてワールドローバーは海外での使用をふまえ車輪が入手しやすい26HEのリムで組まれたものです。
オーダーした時は南米のパタゴニアの悪路走行を想定していたので当時の現行パーツで頑丈に作ってもらいました。そのおかげで当時から現在に至るまで大きなトラブルは一切ありません。
新車の頃の写真がないかとパソコンの中を探したらこの写真がありました。パタゴニアの旅を終えて写真展をやったときのものですね。天神町のギャラリー夢想庵さんです。
自転車、まだかなり新しいです。写真の展示があまりに手作りすぎて今見ると恥ずかしいですね。
で、長年の走行と手荒な輪行で傷だらけになっていたので昨年再塗装に出したのです。
去年の夏に再塗装を終えたフレームを高知から持ち帰っていたのですがなかなか組み立てに取りかかれず今に至っていました。
先日タイヤとチューブを新しくしてとりあえず乗れるようにしました。タイヤはパナレーサーのパセラLX 26×1.75 チューブはマキシスの軽量の物に交換しました。
アルプスローバーの特徴はこの2つ。クロスシートステーとダウンチューブの持ち手?です。クロスシートステーは現在のGTや他のキャンピング車にも採用されていますがダウンチューブの持ち手は独特です。当然補強の意味もあるのですが重装備の自転車を持ち上げるのにも役立ちます。
今回組み直すに当たって幾つか新しいパーツを組み込みました。ブレーキはよく利くと評判のシマノBRーR550に。アーチワイヤーは専用品はクリアランスが狭いのでダイアコンペの物を使いました。
そしてリアのカセットを8sから9sに変更。シフトレバーも新しくしました。
マッドガードは一応用意してまいます。いずれは付ける予定ですがしばらくはなしで乗ろうかと思っています。
同じドロップハンドルでもロードバイクとは違うコンセプトの自転車です。ロードなら100kmを3時間ちょっと走り抜けてしまいます。でもこのタイプの自転車はは100kmを5~6時間かけて楽しみます。通勤で使うと旅気分で楽しいかもしれません。
太いタイヤでゆったりと走る自転車。既存のメーカーでもそんな乗り味の自転車を作っています。興味を持たれた方、是非御来店頂きご相談下さい。
ローバーについての記載で気になった点がありますので書き込みさせていただきます。
ローバーは1966年(S41年)に東京の新宿小田急デパートで開催されたサイクルショーで発表されています。アルプスの先代・故萩原慎一氏の設計で40年間基本設計を変えずに作られました。ALPSのフレームは一貫して埼玉の東叡社が請け負っていました。ワールドローバーは1990年代になって発表されています。
ALPSのフレームは今でも東叡社で修理・改造が可能ですが、ALPSが閉店してしまったために新たにヘッドバッチとシートチューブのデカールが入手で出来ません。そこが塗り替え時に問題になります・・・
従来のローバーは26×1-3/8(いわゆるハチサン)を採用していましたが、ワールドローバーは26HE規格が採用されていました。
Dinoさま
詳しい解説コメントありがとうございます。僕のローバーもシートチューブのロゴが無くなってしまいました。
あの写真展で初めてお目にかかりました・・・ 岡山にもアドベンチャーサイクリスト?が居るのだと感心しながら写真を見させていただきました。
お互いにまだ若かったですね、懐かしい!!
その時、はじめてMTBパーツの付いたランドナーを見たと記憶してます。
しげ様
そうですね。あの時だったかもう一つ前の県庁通りの時だったかでお会いしたのを覚えています。記帳もしていただいてますね。
アドベンチャーといえるような事はしていませんが貴重な体験が出来たことは確かです。
今とやってることがあまり変わらないので年を取った気があまりしてないですが当時の写真を見るとやっぱり年を取ったかな?
質問です。現在はアルプス・ワールドローバーを入手する方法はないのでしようか。お教えください。
ゆうりんさま
残念ながらALPSが閉店していますので新車を入手するのは今現在では不可能です。