この文章はHPに載せていた旅行記の再録です。
岡山を始発の新幹線で出発、きっちりフライト2時間前に関空に着き航空券を受け取る。チェックインを済ませ輪行袋を預ける。今回使った輪行袋には中身が自転車と分かるような模様がないので直前にガムテープにBIKEと書いて何ヶ所にも張っておいた。これで係の人が少しでも丁寧に扱ってくれたらと願う。近年機内持込の手荷物は1つだけ!とかなり厳しくなっているがFバック位のサイズは良いみたいで何も言われなかった。
チェックインカウンターや出国審査は混んでいたが機内はガラガラ、小雨の降る中ほぼ定刻に出発、現地時間午後2時過ぎにホーチミンシティーのタンソンニャット空港に到着した。天気は曇り、外へ出るとモワッとした熱気に包まれた。バスに乗り換えターミナルへ。入国審査は簡単、入国カードと帰国用の航空券を見せるとすんなりスタンプを押してくれた。笑顔はなかったけどね。輪行袋もベルトコンベアに乗ってすぐに登場。再度X線に荷物を通し晴れて自由の身となった。
正面のカウンターで100$のT/Cをベトナムドンに両替する。1,582,200VND、手数料を差し引いて1,488,000VND分の札束を受け取る。(と今書いてみてよく考えると手数料取られすぎじゃないかい?ぼられたんだろうか?)
さあ早速自転車を組んで市内までサイクリング~、のつもりだった、が、止めた。ベトナム、特にホーチミン市の交通ルールは無いに等しく気の弱い人は一生道路を横断できないだろう、なんてのを本で読んでいたので怖気付いてしまったのだった。でもこれはこれで正解だったと思う。タクシーの車窓から見る初めてのアジアの町並みと行き交う人々は興味深く、またある程度の交通事情も掴む事が出来たからだ。バイクの洪水は想像以上で二車線ある内の一車線は完全にバイクで埋まっている。どうも車の方が遠慮しているような雰囲気だ。よくバス等の大型車がバイクを巻き込まないものである。しかし全体的にスピードは遅く端っこを走れば自転車でも何とかなりそうな気がした。
ほどなくタクシーは目的地のデタム通りDe Tham St.に到着。運転手が控えめにチップを要求してくるが断った。輪行袋を抱えて目星を付けていたフーンナム(サザン)Phuong Nam(Southern)ホテルへ行く。予約はしていなかったので安い15$の部屋は無かったが20$の部屋を18$にしてもらい翌日は15$の部屋に移るということで話しがまとまり2泊することにした。
部屋に落ち着くととたんに汗が噴出す。蒸し暑い。冷房のスイッチを入れTシャツと短パンに着替える。輪行袋から自転車を取り出しゆっくりと組んでいく。特にトラブルは無いようだ。
夜、外へ夕飯を食べに出た。正直この時は地に足が全く着いていなかった。海外ツーリングは何度も行っているけど日本以外のアジアの国は初めてである。ガイドブックにはホーチミンは泥棒天国だとか強引なスリも急増!とか恐ろしげな文が並んでいた。だから南米でも使わなかった腹巻の貴重品入れも持ってきたのだ。歩いていてもつい早足になってしまう。のんびり町を眺める余裕などない。眼光鋭い男達がたむろしていて気が抜けない感じ。何とか入りやすそうな麺屋を見つけてフォーPho(米の麺)とビールでやっと乾杯。帰りに商店でビールを2本買ってホテルで衛星のNHKを見ながら飲んで寝た。
後日談:追々分かるがベトナムはそう危険ではない(深夜は知らんが)。常識を持って周囲に気を配っていれば大丈夫である。
その4 Ho Chi Minh City滞在へつづく